マンジャロとゼップバウンドの違いは?どっちが痩せる?薬価や保険適用の条件、用量による効果まで徹底解説

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マンジャロとゼップバウンドは、どちらもチルゼパチドを有効成分とする週1回の注射薬ですが、承認された治療目的と標準維持用量(※)が異なります。

(※)少量から始めて体を慣らしたあと、基本的に継続して使う基準の量

マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは条件を満たす肥満症や中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群が対象です。

マンジャロとゼップバウンドを選ぶ時は、治療したい病気と保険適応条件から選ぶ必要があります。

マンジャロとゼップバウンドの選び分け

2型糖尿病の血糖管理が目的:マンジャロが候補
条件を満たす肥満症の治療が目的:ゼップバウンドが候補
BMI27以上で中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群がある:ゼップバウンドが候補
美容・ダイエットだけが目的:保険適用外。マンジャロは適応外使用となる

2型糖尿病の治療に使用するマンジャロの標準維持用量は週1回5mg、ゼップバウンドは肥満症では週1回10mg、閉塞性睡眠時無呼吸症候群では週1回15mgが標準です。

実際の投与量は効果や副作用への耐えやすさに応じて医師が調整します。

参照:PMDA「マンジャロ皮下注」PMDA「ゼップバウンド皮下注」

美容・ダイエット目的で使用する場合は注意が必要

厚生労働省は、マンジャロなどの2型糖尿病治療薬を美容・痩身目的で使用した場合の安全性と有効性は確認されていないとして、安易な使用を避けるよう注意喚起しています。

参照:厚生労働省「2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用に関する注意」

この記事では、マンジャロやゼップバウンドの治療の対象、痩せる効果、用量、保険適用、値段、副作用の違いを分けて比較します。

2型糖尿病なら糖尿病内科・内科、肥満症の可能性があるなら肥満症外来・代謝内科、睡眠時無呼吸症候群なら呼吸器内科・睡眠外来を受診先の候補にしてください。

美容・ダイエット目的で自由診療を選ぶ場合は、適応外使用であること、費用、副作用が出た場合の対応について説明を受け、納得できない項目があれば使用を見送ります。

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目次

マンジャロとゼップバウンドの違いは治療の目的

マンジャロとゼップバウンドの違いは治療の目的

マンジャロとゼップバウンドの最も大きな違いは、国内で承認されている治療目的です。

マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは一定条件を満たす肥満症や中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療に使用されます。

どちらも有効成分はチルゼパチドで、週1回皮下注射する薬です。

しかし、同じ成分だから同じ目的で使えるわけではありません。自分に関係する病気と診断条件から区別する必要があります。

比較項目 マンジャロ ゼップバウンド
有効成分 チルゼパチド チルゼパチド
薬の種類 持続性GIP/GLP-1受容体作動薬 持続性GIP/GLP-1受容体作動薬
投与方法 週1回の皮下注射 週1回の皮下注射
製剤の用量 2.5mg・5mg・7.5mg・10mg・12.5mg・15mg 2.5mg・5mg・7.5mg・10mg・12.5mg・15mg
国内で承認された治療対象 2型糖尿病 一定条件を満たす肥満症、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群
薬の位置づけ 糖尿病治療薬 肥満症・睡眠時無呼吸症候群の治療薬
美容・痩身のみを目的とする使用 承認された効能・効果ではない 承認された効能・効果ではない

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

注目ポイント

マンジャロとゼップバウンドは、成分名だけではなく「何の病気を治療するために処方されるのか」で区別します。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

有効成分はどちらもチルゼパチド

マンジャロとゼップバウンドの有効成分は、どちらもチルゼパチドです。

どちらもGIP受容体とGLP-1受容体の両方に作用する注射薬で、両剤とも2.5mgから15mgまでの製剤があり、週1回投与します。

GIPとGLP-1は、食事をしたときに腸から分泌され、血糖値や食欲の調節に関わるホルモンです。チルゼパチドは、この2つのホルモンが情報を伝える受容体を同時に刺激します。

チルゼパチドの主な作用

  • 血糖値が高いときに、膵臓からのインスリン分泌を促す
  • 血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑え、空腹時・食後の血糖値を下げる
  • 身体がインスリンに反応しやすい状態へ整える
  • 脳のGIP・GLP-1受容体に作用して食欲を調節する
  • 脂肪細胞のGIP受容体に作用して脂質代謝を高め、体重減少につなげる

このように、チルゼパチドには血糖値を下げる作用と、食欲や脂質代謝へ働きかけて体重を減少させる作用があります。

ただし、体重が減る程度には投与量や治療対象、体調などが関係するため、同じ成分だからといってマンジャロとゼップバウンドの効果が常に同じになるわけではありません。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

マンジャロは2型糖尿病が対象

マンジャロの国内で承認された効能・効果は、2型糖尿病です。

食事療法と運動療法を十分に行っても血糖管理が不十分な場合に、糖尿病治療の一環として使用が検討されます。

STEP1
チルゼパチドがGIP受容体とGLP-1受容体を刺激する
STEP2
血糖値が高いときにインスリン分泌を促し、グルカゴン分泌を抑える
STEP3
身体がインスリンに反応しやすくなり、空腹時や食後の血糖値を下げる

これが、マンジャロを2型糖尿病治療に用いる主な理由です。

一方、チルゼパチドは脳のGIP受容体とGLP-1受容体にも作用し、食欲を調節します。そのため、血糖値が下がった結果として食欲が減るのではなく、血糖への作用と並行して食欲や食事量が抑えられ、体重減少につながることがあります。

体重減少作用と承認された治療目的は別

この体重減少作用があるため、マンジャロが「痩せる薬」として紹介されることがあります。

しかし、体重が減る作用があることと、肥満症治療薬として承認されていることは別です。

マンジャロの国内で承認された治療対象は2型糖尿病であり、美容・痩身・ダイエットだけを目的とする処方は適応外使用です。自由診療で処方されていても、この位置づけは変わりません。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

ゼップバウンドは肥満症などが対象

ゼップバウンドは、一定条件を満たす肥満症と、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に用いられる治療薬です。体重が重い人や痩せたい人全員が対象になるわけではありません。

ゼップバウンドの主な適用条件
治療対象 BMIの条件 病気・症状の条件 食事療法・運動療法
肥満症 「BMIが27以上で、肥満に関連する健康障害が2つ以上」または「BMIが35以上」 高血圧・脂質異常症・耐糖能障害のいずれかがある 十分な効果が得られていない
中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群 BMIが27以上 AHIが15回/時以上 原則として、減量による十分な効果が得られていない

※閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、重症度や合併症によって早期に治療を開始する場合があります。

参考:PMDA「ゼップバウンド」電子添文

有効成分のチルゼパチドによる、肥満症への主な作用は、次のとおりです。

ゼップバウンドの主な作用

  • 脳のGIP受容体とGLP-1受容体に作用して食欲を調節する
  • 脂肪細胞のGIP受容体に作用して脂質などの代謝を促す
  • 食事量の減少や代謝への作用を通じて体重減少につなげる

閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対しては、体重減少に伴って睡眠中の呼吸障害が改善し、無呼吸や低呼吸の回数が減ることを期待する薬です

「肥満」は体格を表す言葉です。一方、「肥満症」は肥満に関連する健康障害があり、医学的な治療が必要と診断された病気を指します。

見た目やBMIだけでは、ゼップバウンドの対象かどうかは決まりません。病気の診断と適用条件の確認が必要です。

マンジャロとゼップバウンドはどちらが痩せる?

マンジャロとゼップバウンドは同じ用量を使用した場合、有効成分が同じため、体重減少効果の差は考えにくいです。

ただし、承認されている標準維持用量は異なります。マンジャロは2型糖尿病で週1回5mg、ゼップバウンドは肥満症で週1回10mgが標準維持用量です。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

用量による体重減少量を比較した試験内では、用量が高い群ほど体重減少量が大きい結果でした。

そのため、単純に標準維持用量で比べると、ゼップバウンドのほうが体重減少は大きくなりやすいと考えられます。

参考:PMDA「マンジャロ申請資料概要」

痩せる効果を比べるときの見方

  • 同じ用量:商品名による効果差は考えにくい
  • マンジャロ:2型糖尿病では週1回5mgが標準維持用量
  • ゼップバウンド:肥満症では週1回10mgが標準維持用量
  • 実際の効果:投与量・投与期間・患者の状態によって異なる

「どちらが痩せるか」は薬の名前だけでなく、実際に何mgをどのくらい使用するかで判断しましょう

同じ用量なら効果は変わらない

同じ用量・同じ投与期間で比べるなら、マンジャロとゼップバウンドに、商品名だけによる体重減少効果の差は考えにくいです

両剤は有効成分だけでなく、添加剤、注射液の性状、注入器の形態、製剤規格も共通しています。

異なるのは、国内で承認された治療対象や標準維持用量です。

薬剤として同じ点と承認上の違い
比較項目 比較結果 内容
有効成分 同じ チルゼパチド
添加剤 同じ 添加剤の種類と配合量が共通
製剤規格 同じ 2.5mg・5mg・7.5mg・10mg・12.5mg・15mg
注射液の性状 同じ 色調・pH・浸透圧比が共通
注入器の形態 同じ 固定注射針付きの注入器
基本的な投与頻度 同じ 週1回
国内で承認された治療対象 異なる マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは肥満症など
標準維持用量 異なる マンジャロは5mg、ゼップバウンドは肥満症で10mg

薬剤の中身が共通しているため、同じ5mgを使用する場合に「どちらかが強く効く」とはいえません。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

「同じ効果」と「同じ減量結果」は別

同じ用量なら全員が同じ体重変化になる、という意味ではありません。実際の体重減少量は、投与期間や治療対象、患者の状態などによって異なります。

ゼップバウンドの方が標準用量が高いため体重減少は大きくなりやすい

標準維持用量で比べると、ゼップバウンドの方が体重減少は大きくなりやすいと考えられます

前述のとおり、マンジャロの標準維持用量は5mg、ゼップバウンドは肥満症で10mgです。同じチルゼパチドでも、通常使用する量に差があります。

そして、日本人の2型糖尿病患者を対象に、チルゼパチドを52週間投与した試験では、用量が高い群ほど体重減少量が大きい結果でした。

チルゼパチドの用量別・52週後の体重変化
週1回の用量 52週後の体重変化量 5mgとの差
5mg −5.8kg 基準
10mg −8.5kg 2.7kg大きく減少
15mg −10.7kg 4.9kg大きく減少

試験結果を見るときの注意点

この数値は、日本人の2型糖尿病患者を対象とした試験の平均的な変化量です。ゼップバウンドを使用した肥満症患者の結果ではなく、マンジャロとゼップバウンドを直接比較した試験でもありません。

個人の体重減少量を予測・保証する数値ではないため、用量が高ければ誰でも同じだけ痩せるとは限りません。

標準維持用量で比較すると、5mgのマンジャロより10mgのゼップバウンドの方が、体重減少は大きくなりやすいと考えられます。

参考:PMDA「マンジャロ申請資料概要」

体重減少効果の違いは商品名ではなく、実際に使用する用量から考えましょう。より大きな体重減少だけを目的に増量せず、効果と副作用を踏まえて医師が用量を調整します。

マンジャロとゼップバウンドの保険適用の違い

マンジャロとゼップバウンドの保険適用フローチャート

マンジャロは2型糖尿病の治療、ゼップバウンドは条件を満たす肥満症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療で、保険適用の対象になる可能性があります

また、美容・ダイエットだけを目的とする場合は、どちらも保険適用になりません。

マンジャロとゼップバウンドの保険適用条件は「治療する病気」「患者の条件」「受診する医療機関の体制」が関係してきます。

マンジャロとゼップバウンドの保険適用条件
判断項目 マンジャロ ゼップバウンド・肥満症 ゼップバウンド・睡眠時無呼吸症候群
治療対象 2型糖尿病 条件を満たす肥満症 中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群
BMI条件 BMIによる適応条件なし BMI27以上かつ健康障害2つ以上、またはBMI35以上 BMI27以上
その他の患者条件 食事療法・運動療法で十分な効果が得られない 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがある AHI15回/時間以上など
治療歴 食事療法・運動療法を十分に行っている 原則6か月以上の食事療法・運動療法と定期的な栄養指導 原則3か月以上の減量治療と栄養指導
医療機関の条件 2型糖尿病として診療できる医療機関 専門医・管理栄養士・副作用対応などの施設要件あり 専門医・検査・栄養指導・副作用対応などの施設要件あり
美容・ダイエットだけが目的 保険適用外 保険適用外 保険適用外

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文厚生労働省「ゼップバウンド最適使用推進ガイドライン」厚生労働省「2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用に関する注意」

条件を満たしていても、必ず保険が適用されて処方されるわけではありません。検査結果や既往歴、併用薬などを踏まえて、医師が治療の必要性と安全性を判断します。

マンジャロは2型糖尿病の治療で保険適用になる

マンジャロは、2型糖尿病の治療として医師が必要と判断した場合に、保険適用の対象になります

国内で承認されたマンジャロの効能は2型糖尿病です。食事療法・運動療法を十分に行っても効果が不十分な場合に、薬物治療の一つとして使用が検討されます。

マンジャロの保険適用の境界

  • 2型糖尿病の治療が目的:保険診療の候補
  • 体重減少や美容だけが目的:保険適用外
  • 2型糖尿病と診断されている:必ず処方されるわけではない
  • 食事療法・運動療法で効果が不十分:医師が薬物治療の必要性を判断

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文厚生労働省「2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用に関する注意」

2型糖尿病の治療が目的なら、糖尿病内科や内科を受診し、現在の血糖値・HbA1c(※)・使用中の薬・食事療法や運動療法の状況を医師が判断し、処方されます。

(※)過去1〜2か月の血糖値の平均値

ゼップバウンドはBMI27以上に加え生活習慣病などの適用条件がある

ゼップバウンドの保険適用条件には、BMIが27以上に加え、生活習慣病やこれまでの治療歴も関係します。

ゼップバウンドは肥満症・閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する注射薬ですが、肥満症の基準値であるBMI25以上(※)だけでは保険適用になりません

(※)肥満症と診断されるのはBMI25+肥満に関連する健康障害が1つ以上or内臓脂肪の蓄積がある

なお、肥満症と閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、対象となる患者条件が異なります。

ゼップバウンドの保険適用となる患者条件
判断項目 肥満症 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
対象となる診断 条件を満たす肥満症 中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群
BMI BMI27以上かつ健康障害2つ以上、またはBMI35以上 BMI27以上
病気・検査の条件 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがある AHI15回/時間以上など
これまでの治療 原則6か月以上、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない 原則3か月以上、食事療法・運動療法による減量を行っても十分な効果が得られない
栄養指導 2か月に1回以上 原則として治療期間中に1回以上

BMIだけでは判断できない

BMIの数値や体重だけで、読者自身が保険適用の可否を判断することはできません。病気の診断、肥満に関連する健康障害、検査結果、これまでの治療内容を医師が確認します。

以上から、ゼップバウンドの保険適用には、BMIだけでなく、対象疾患の診断と所定の治療歴を満たす必要があります。

参考:厚生労働省「ゼップバウンド最適使用推進ガイドライン」

肥満症の治療が目的なら肥満症を診療する医療機関へ、いびき・無呼吸・日中の強い眠気がある場合は睡眠外来などへ相談しましょう。

ゼップバウンドは処方する医療機関にも要件がある

ゼップバウンドを取り扱っている医療機関でも、すべての施設で保険診療を受けられるわけではありません

厚生労働省のガイドラインで定められた施設要件を満たす必要があります。

ゼップバウンドの主な施設要件

  • 対象疾患を診療できる保険医療機関である
  • 必要な診療経験と専門医資格を持つ医師が関与している
  • 対象となる学会の教育研修施設として認定されている
  • 常勤の管理栄養士が栄養指導を行える
  • 患者の選択や治療継続の判断に必要な検査を実施できる
  • 医薬品の安全性情報を管理できる
  • 副作用が起きた場合に、院内または連携先で対応できる

診療科名だけでは判断できない

「肥満外来」「ダイエット外来」「睡眠外来」といった名称や、医療機関の規模だけでは施設要件を満たしていると判断できません。自由診療での取扱いと、ゼップバウンドの保険診療への対応は別です。

以上から、患者側の条件を満たしていても、受診先が施設要件に対応していなければ、その医療機関ではゼップバウンドの保険診療へ進めません。

参考:厚生労働省「ゼップバウンド最適使用推進ガイドライン」

受診前には「ゼップバウンドを保険診療で処方できる施設要件に対応しているか」を調べましょう。

どちらも美容・ダイエットだけを目的とする使用は保険適用にならない

美容・痩身・ダイエットだけを目的とする場合は、マンジャロとゼップバウンドのどちらも保険適用になりません

保険適用は、薬に体重減少作用があるかではなく、承認された病気の治療として使用するかで決まります。

マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは条件を満たす肥満症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群が治療対象です。

治療目的による保険適用の違い
保険診療の対象となり得る目的 美容・ダイエットだけが目的
マンジャロ 2型糖尿病の治療 保険適用外
ゼップバウンド 条件を満たす肥満症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療 保険適用外

したがって、保険に収載されている薬であっても、病気の治療ではなく美容・ダイエットだけを目的に使用する場合は、どちらも保険診療にはなりません。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文厚生労働省「2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用に関する注意」

保険適用外と違法は同じではない

承認された効能・効果の範囲外で医薬品を使用すること自体が、直ちに禁止されているわけではありません。ただし、美容・ダイエット目的での処方は適応外使用となり、原則として全額自己負担の自由診療です。

参考:厚生労働省「適応外使用を含む保険外診療の取扱い」

マンジャロとゼップバウンドの値段はどちらが高い?

マンジャロとゼップバウンドを同じ用量の公定薬価で比べると、ゼップバウンドの方が約1.3~2.1倍高いです。

マンジャロとゼップバウンドの薬価
用量 マンジャロ ゼップバウンド
2.5mg 1,443円 3,067円
5mg 2,886円 5,797円
7.5mg 4,329円 7,721円
10mg 5,772円 8,999円
12.5mg 7,215円 10,180円
15mg 8,658円 11,242円

※価格は1キットあたりの薬価です。1キットは1回分であり、4週間分ではありません。

参考:厚生労働省「マンジャロの薬価」厚生労働省「ゼップバウンドの薬価」

ただし、薬価が高い方が、実際の支払額も必ず高くなるわけではありません。治療目的や保険適用の有無、使用する用量によって負担額が変わるためです。

薬価と実際の支払額は異なる

  • 薬価は、薬そのものに定められた公定価格
  • 1キットは1回分であり、4週間分ではない
  • 診察料、検査料、栄養指導料などが別途かかる場合がある
  • 自由診療の料金は医療機関によって異なる

関連記事:メディカルダイエットが安いおすすめオンライン診療クリニック9選!安く継続する方法・料金相場・失敗しない選び方まで解説【2026年9月最新】

薬価だけならゼップバウンドの方が高いものの、実際にどちらが安くなるかは、治療目的と保険適用の有無によって変わります

2型糖尿病の治療なら保険適用のマンジャロが安い

2型糖尿病の治療で保険が適用される場合は、マンジャロの方が自己負担額を抑えられます。

ゼップバウンドは2型糖尿病の治療薬として承認されていないため、2型糖尿病ではマンジャロの保険診療を基準に費用を確認します。

マンジャロは週1回2.5mgから開始し、4週間後に標準維持用量の週1回5mgへ増量します。

マンジャロを4週間使用した場合の薬剤費
電子添文上の位置づけ 用量 4週間分の薬価 3割負担の薬剤費
開始用量 2.5mg 5,772円 約1,732円
標準維持用量 5mg 11,544円 約3,463円

※週1回、4週間で4キット使用した場合の概算です。3割負担額は1円未満を四捨五入しています。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文厚生労働省「マンジャロの薬価」

支払総額には診察料や検査料も加わる

表の金額は薬剤費のみです。実際の支払額には、診察料や検査料などが加わります。また、自己負担割合や使用する用量によっても変わります。

2型糖尿病の治療では、自由診療の価格を比べる前に、マンジャロが保険適用となるかを確認することが費用を抑えるポイントです

保険適用の条件を満たす肥満症または睡眠時無呼吸症候群ならゼップバウンドが安い

保険適用の条件を満たす肥満症または中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、ゼップバウンドの方が自己負担額を抑えられます。

ゼップバウンドの標準維持用量は、肥満症では週1回10mg、閉塞性睡眠時無呼吸症候群では週1回15mgです。

ゼップバウンドを4週間使用した場合の薬剤費
治療対象 標準維持用量 4週間分の薬価 3割負担の薬剤費
肥満症 10mg 35,996円 約10,799円
中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群 15mg 44,968円 約13,490円

※週1回、4週間で4キット使用した場合の概算です。3割負担額は1円未満を四捨五入しています。

参考:PMDA「ゼップバウンド」電子添文厚生労働省「ゼップバウンドの薬価」

標準維持用量から始めるわけではない

ゼップバウンドは週1回2.5mgから開始し、4週間ごとに2.5mgずつ増量します。実際の用量は効果や副作用を踏まえて調整されるため、治療開始直後から表の金額になるわけではありません。

条件を満たす肥満症または閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、マンジャロの自由診療料金ではなく、ゼップバウンドの保険適用後の総額を基準に費用を判断しましょう

ダイエット目的で見るマンジャロとゼップバウンドの違い

ダイエット目的で比べる場合は、どちらが痩せるかではなく、「美容目的の自由診療」か「肥満症の治療」かで選び方が変わります。

美容や数kgの減量だけが目的なら、マンジャロとゼップバウンドのどちらも国内で承認された治療目的には該当しません。

目的別に見る受診先と薬の位置づけ
受診の目的 薬の位置づけ 確認すること
美容や数kgの減量 どちらも適応外使用 取扱薬、総額、診療方法、副作用時の対応
肥満に関連する健康障害の治療 条件を満たせばゼップバウンド BMI、健康障害、食事・運動療法の実施歴
体重を減らすために保険診療を希望 体重だけではどちらも対象にならない 医師による病気の診断と保険適用条件

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

美容目的なら自由診療の内容を確認し、肥満症として治療したい場合は、先に適応条件を満たすか診断を受けることが選び分けのポイントです

自由診療で受診できるクリニックを見つけやすいのはマンジャロ

自由診療の受診先は、マンジャロの方が見つけやすい傾向があります。

マンジャロとゼップバウンドのオンライン診療を検索してみると、マンジャロとゼップバウンドの検索数には約95万件の差がありました。

「マンジャロ オンライン診療」と「ゼップバウンド オンライン診療」の検索結果の差は約95万件

受診先の見つけやすさに差が生じる理由の一つが、ゼップバウンドを保険診療で処方する際の施設要件です。

ゼップバウンドには最適使用推進ガイドラインがあり、保険診療では専門医の関与や管理栄養士による栄養指導、副作用に対応できる体制などを整えた医療機関である必要があります。

そのため、どのクリニックでも保険診療として処方できるわけではありません。

受診先の見つけやすさに関わる違い
確認項目 マンジャロ ゼップバウンド
自由診療の専用ページ 見つけやすい 取扱事例はある
オンライン診療・配送 対応ページを見つけやすい 対応例はある
保険診療の受診先 2型糖尿病を診療する医療機関 最適使用推進ガイドラインの施設要件を満たす必要がある
全国の取扱施設数 公的な比較統計は確認できない 公的な比較統計は確認できない

参考:厚生労働省「ゼップバウンド最適使用推進ガイドライン」

マンジャロを扱う自由診療のページが見つけやすい背景には、ゼップバウンドを保険診療で処方できる医療機関が限られていることも関係しています

施設要件は保険診療に関する条件

施設要件を満たしていない医療機関でも、ゼップバウンドを自由診療で扱っている例はあります。そのため、施設要件だけを理由に「ゼップバウンドの取扱クリニック数が少ない」とは断定できません。

関連記事:マンジャロが安いオンライン診療8選!2.5mg・5mgの最安値を34院で独自調査【2026年9月】

肥満症として診断・治療を受けるならゼップバウンド

肥満症の適応条件を満たす場合は、保険適用のゼップバウンドを検討しましょう。

マンジャロをダイエット目的で使う場合は自由診療ですが、ゼップバウンドは肥満症の治療として保険が適用されれば、薬剤費の負担を抑えやすいためです。

ただし、体重が重いだけでは対象になりません。次の前提とBMIの条件を満たす必要があります。

ゼップバウンドが肥満症で対象となる条件

■すべて満たす必要がある前提

  • 高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかがある
  • 食事療法と運動療法を行っても十分な効果が得られていない

■次のどちらかを満たす

  • BMIが27以上で、肥満に関連する健康障害が2つ以上ある
  • BMIが35以上である

参考:PMDA「ゼップバウンド」電子添文厚生労働省「ゼップバウンド最適使用推進ガイドライン」

患者側の条件だけで保険適用が決まるわけではない

保険診療では、上記の患者条件に加えて、ゼップバウンドを使用する医療機関にも施設要件があります。美容や数kgの減量だけを目的とする場合は、保険適用の対象になりません。

肥満症の条件を満たす人にとっては、保険適用によって費用を抑えられることが、ゼップバウンドを選ぶ理由になります

マンジャロとゼップバウンドの副作用に違いはある?

マンジャロとゼップバウンドで、副作用の種類に大きな違いはありません。

有効成分が同じチルゼパチドであり、電子添文に記載されている主な副作用も共通しています。

ただし、標準維持用量は異なります。副作用の出やすさは商品名だけでなく、実際に使用する用量や増量方法、併用薬、既往歴を含めて判断しましょう。

副作用に関わる違い
確認項目 マンジャロ ゼップバウンド
有効成分 チルゼパチド チルゼパチド
主な副作用 悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良など 悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良など
開始用量 週1回2.5mg 週1回2.5mg
標準維持用量 2型糖尿病:週1回5mg 肥満症:週1回10mg
睡眠時無呼吸症候群:週1回15mg
胃腸症状がある場合 減量または増量延期を検討 減量または増量延期を検討

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

副作用の発現率だけでは安全性を比較できない

マンジャロとゼップバウンドでは、臨床試験の対象患者、使用量、試験期間が異なります。異なる試験で示された副作用の発現率だけを比べて、一方が安全または危険とは判断できません。

副作用の種類はおおむね共通しており、注意すべきなのは薬の名前より、実際の用量や増量方法、併用薬、既往歴です

主な副作用は吐き気・下痢・便秘・嘔吐などで共通

マンジャロとゼップバウンドでは、主な副作用も重大な副作用もおおむね共通しています。

マンジャロとゼップバウンドの主な副作用

  • 悪心・吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 腹痛
  • 消化不良
  • 食欲減退
  • 腹部膨満

下痢や嘔吐が続くと、脱水から急性腎障害につながるおそれがあります。症状が続いて水分をとれない場合は、処方した医療機関へ相談してください。

糖尿病治療薬との併用

インスリン製剤やスルホニルウレア剤などと併用すると、低血糖のリスクが高まるおそれがあります。併用薬を自己判断で減量・中止せず、医師に確認してください

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

副作用の種類は共通するため、どちらを使う場合も胃腸症状、重大な症状、併用薬を確認する必要があります

副作用の出やすさは用量に左右される

マンジャロやゼップバウンドで用量を増やすと、血糖を下げる作用や食欲を抑える作用、満腹感を持続させる作用が強まる一方で、消化管への作用も強まり、吐き気や下痢、便秘、嘔吐などが現れたり強くなったりする可能性があります。

用量を増やすことで起こる変化

  • 血糖値が高いときのインスリン分泌が促される
  • グルカゴン分泌が抑えられ、血糖値が下がりやすくなる
  • 食欲が抑えられ、摂取カロリーが減りやすくなる
  • 胃内容物の排出が遅くなり、満腹感が続きやすくなる
  • 吐き気、下痢、便秘、嘔吐などが現れたり強くなったりする場合がある

マンジャロやゼップバウンドの使用開始後1ヶ月は急に高い用量へ変更せず、少量から段階的に増量するのは、効果と副作用を確認しながら身体を慣らすためです。

治療目的別の用量設計
薬と治療目的 開始用量 標準維持用量 増量・調整
マンジャロ・2型糖尿病 週1回2.5mg 週1回5mg 5mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量
ゼップバウンド・肥満症 週1回2.5mg 週1回10mg 4週間ごとに2.5mgずつ増量。状態に応じて5~15mgで調整
ゼップバウンド・睡眠時無呼吸症候群 週1回2.5mg 週1回15mg 4週間ごとに2.5mgずつ増量。忍容性に応じて10~15mgで調整

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

用量を増やすと効果が強まる一方、副作用も現れやすくなる可能性があります効果だけを目的に増量せず、症状を確認しながら医師が用量を調整します。

高用量なら必ず副作用が出るわけではない

副作用の現れ方には個人差があり、高用量でも症状が出ない人や、低用量でも症状が強く出る人がいます。症状がある場合は、医師が減量や増量の延期を検討します。

マンジャロがゼップバウンドより知られている理由

マンジャロの方が知られているのは、ゼップバウンドより約2年早く発売され、自由診療の広告やSNSなどで商品名に触れる機会が先に増えたためと考えられます。

STEP1
2023年4月18日:マンジャロ発売
STEP2
2型糖尿病の治療に加え、自由診療の広告やSNSで商品名が露出
STEP3
2025年4月11日:ゼップバウンド発売
知名度に影響したと考えられる違い
確認項目 マンジャロ ゼップバウンド
国内発売日 2023年4月18日 2025年4月11日
承認された治療対象 2型糖尿病 肥満症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群
自由診療・検索上の露出 ダイエット関連の専用ページを見つけやすい マンジャロより後に発売
保険診療の入り口 2型糖尿病の治療として検討 患者条件と施設要件を満たす必要がある

参考:日本イーライリリー「マンジャロ新発売」田辺ファーマ「ゼップバウンド発売日のお知らせ」

マンジャロの知名度が高いと考えられるのは、効果や安全性がゼップバウンドより優れているからではなく、発売が早く商品名に触れる機会が多かったためです

自由診療やSNSでダイエット薬として先に名前が広まった

マンジャロはゼップバウンドの発売前から、自由診療の広告やSNSなどでダイエット薬として紹介され、一般の人が商品名に触れる機会が増えていました。

ただし、製造販売元の日本イーライリリーも、美容・痩身・ダイエット目的の使用を推奨していると受け取れる広告や、ソーシャルメディア上の誤情報について注意を呼びかけています。

知名度に関する情報の分け方
情報の区分 確認できる内容
公式に確認できる事実 マンジャロは2型糖尿病治療薬であり、美容・痩身目的を推奨する広告が確認されている
検索上の観察 自由診療の料金やオンライン診療を案内するマンジャロの専用ページを見つけやすい
編集部の分析 ゼップバウンドの発売前から名称が露出したことが、知名度の差につながった可能性がある
確認できないこと 全国の認知度、SNSの投稿数、ダイエット目的で使用した人数

※検索上の観察は、2026年9月1日に編集部が確認した結果です。

参考:日本イーライリリー「当社製品の適正使用に関する取り組み」

SNSの体験談は効果や安全性の根拠にはならない

SNSの投稿は、使用した用量や期間、健康状態、併用薬などの条件がそろっていません。体験談の多さだけで、マンジャロの方が痩せる、安全、優れているとは判断できません。

マンジャロの名前が先に広まった背景には自由診療やSNSでの露出がありますが、知名度と医薬品としての優劣は別と考えましょう

関連記事:マンジャロの口コミ「後悔した」って本当?痩せた人・失敗した人の違いと副作用のキツさを解説

ゼップバウンドの保険診療は対象患者と医療機関が限られる

ゼップバウンドは、保険診療で使用する場合、患者が適応条件を満たすだけでなく、医療機関側にも診療体制の要件があります

そのため、どのクリニックでも同じように保険診療を受けられる薬ではありません。

医療機関に求められる主な体制

  • 対象疾患に関係する専門医が治療に関与できる
  • 関連学会の教育研修施設として認定されている
  • 常勤の管理栄養士が栄養指導を行える
  • 必要な検査や投与継続・中止の判断を行える
  • 副作用が起きた場合に対応できる

注意点

ここで説明している施設要件は、ゼップバウンドを保険診療で使用する際に確認される条件です。自由診療での取り扱いまで一律に制限するものではありません。

参考:厚生労働省「チルゼパチド製剤の最適使用推進ガイドライン」

患者と医療機関の両方に条件があるため、保険診療の受け皿が限られやすいことも、ゼップバウンドの名称に触れる機会がマンジャロより少なかった理由の一つと考えられます。

マンジャロとゼップバウンドの違いは治療目的・用量・保険適用

マンジャロとゼップバウンドは有効成分が同じでも、対象となる病気や標準維持用量、保険適用の条件が異なります。

どちらが優れているかではなく、何を治療するのかによって選ぶ薬が変わります

2型糖尿病の治療ではマンジャロ、条件を満たす肥満症や中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群ではゼップバウンドが候補です。

美容・ダイエットだけが目的の場合は、どちらも国内で承認された治療目的には該当しません。

治療目的から選ぶマンジャロとゼップバウンド
治療したい病気・目的 候補となる薬 標準維持用量 保険適用の考え方
2型糖尿病 マンジャロ 週1回5mg 2型糖尿病の治療として使用する場合は保険診療の候補
条件を満たす肥満症 ゼップバウンド 週1回10mg 患者条件と医療機関の要件を満たす場合は保険診療の候補
BMI27以上の中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群 ゼップバウンド 週1回15mg 患者条件と医療機関の要件を満たす場合は保険診療の候補
美容・ダイエットだけが目的 どちらも承認された治療目的ではない 医師が個別に判断 保険適用外。マンジャロを使用する場合は適応外使用

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文厚生労働省「チルゼパチド製剤の最適使用推進ガイドライン」

同じ用量を使用する場合は、効果に差は無いと考えられます。

ただし、承認されている標準維持用量が異なるため、実際に使用する用量によって体重減少効果や副作用の出方が変わる可能性があります。

マンジャロとゼップバウンドを判断する順番

  1. 2型糖尿病・肥満症・睡眠時無呼吸症候群のどれを治療するのか
  2. 保険適用の患者条件と医療機関の要件を満たすか
  3. 何mgから開始し、何mgを維持用量とするのか
  4. 保険診療と自由診療のどちらで受診するのか

薬の名前や「より痩せそう」という印象から選ぶのではなく、診断された病気と治療目的を最初の判断基準にしましょう。

有効成分は同じだが対象となる病気が異なる

マンジャロとゼップバウンドは、どちらもチルゼパチドを有効成分とする注射薬です。

ただし、マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは一定条件を満たす肥満症と中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群を対象としています。

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

同じ成分を使用していても、薬の効能・効果は商品ごとに承認されています。

マンジャロの使用中に体重が減少しても、肥満症治療薬として承認されていることにはなりません。

反対に、ゼップバウンドを2型糖尿病の治療薬としてマンジャロの代わりに選ぶものでもありません。

治療したい病気から判断する

  • 2型糖尿病の血糖管理:マンジャロが候補
  • 条件を満たす肥満症:ゼップバウンドが候補
  • BMI27以上の中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群:ゼップバウンドが候補
  • 美容や数kgの減量だけが目的:どちらも国内で承認された治療目的ではない

薬の名前を先に選ぶのではなく、診断された病気から治療方法を決めることが、マンジャロとゼップバウンドを区別する基本です

標準維持用量はゼップバウンドの方が高い

マンジャロとゼップバウンドは、どちらも週1回2.5mgから開始します。ただし、承認されている標準維持用量は、マンジャロよりゼップバウンドの方が高く設定されています。

標準維持用量の違い

  • マンジャロ・2型糖尿病:週1回5mg
  • ゼップバウンド・肥満症:週1回10mg
  • ゼップバウンド・閉塞性睡眠時無呼吸症候群:週1回15mg

参考:PMDA「マンジャロ」電子添文PMDA「ゼップバウンド」電子添文

用量を増やすと、体内に投与されるチルゼパチドの量が増えるため、食欲の抑制や体重減少などの作用も強くなる可能性があります。

一方で、吐き気・下痢・便秘・嘔吐などの胃腸症状も出やすくなる可能性があります。

標準維持用量は全員が到達する用量ではない

標準維持用量は、治療目的ごとに設定された基本の用量です。マンジャロは効果が不十分な場合に15mgまで増量できます。ゼップバウンドも、効果や副作用に応じて増量・減量されるため、すべての患者が10mgまたは15mgを継続するわけではありません。

ゼップバウンドの方が体重減少は大きくなりやすいと考えられる理由は、標準維持用量が高いことにあります

ただし、実際の効果と副作用は使用する用量や体調によって異なるため、より痩せることだけを目的に増量するものではありません。

ダイエット目的で受診先の見つけやすさを優先するならマンジャロがおすすめ

美容・ダイエット目的で自由診療の受診先を探す場合は、マンジャロを選ぶのがおすすめです。

なぜなら、マンジャロの方がクリニックの案内を見つけやすい傾向にあるからです。

注意点

美容・ダイエット目的で使用するマンジャロは適応外使用となり、保険は適用されません。受診先を見つけやすいことは、マンジャロの方が痩せる、安全、副作用が少ないという意味ではありません。

美容・ダイエット目的で受診先を見つけるならマンジャロがおすすめです。

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